一級建築士合格発表の雑感②
みなさまこんにちは。
前回に引き続き、合格発表の雑感を書いていきたいと思います。
5.今年の問題の難易度は易しい。
公表された標準解答例と問題用紙を見ると、特段おどろく様な内容はなく、良い意味で「普通の問題」であったと思っている。
まずは①ユニット型の計画に慣れていたかどうか?
これは資格学校ごとに「ヤマ」を張っているわけではないと思うが、ユニット型の課題の出た回数が学校ごとで差があったと聞いている。
やはり「慣れ」というのはそこそこ重要で、エスキスがあまり得意でない人でも「ユニット型に慣れていた」ことによりエスキスに掛ける時間が短縮され、その結果図面や計画の要点に時間を掛けることや見直し時間を確保でき、減点項目を回避することが出来たのではないか。
ただ、ユニット部分は比較的組みやすい室構成になっていたため、ユニット型に慣れていない人でもエスキスに不安がない人であればそんなに時間は掛からなかったと思う。
次に、②法令への重大な不適合 に該当していなくても、表記ミス、書き忘れ があればそこそこの減点にはなっていると思われる。試験元がどのような減点構成かは知る由もないが、例えば、大・中・小減点の3つに分けたと仮定すると「中」減点くらいに該当するのではないか。と思う。
これら①、②以外にも合否を左右する大きな要素は何か無いかと解答例/問題を何度も考察してみたが、見当たらない。
いずれにせよ、①、②をクリアすれば(一発不合格要素をもちろんクリアしての話だが)あとは小さな減点を喰らわなければ、合格。という感じであろう。
6.なぜ不合格なのかわからない方へ
何百人と添削してきた中で思うのは、何度も不合格している人は「どこかクセのある」図面、文章(計画の要点)であり、当の本人はそれに気づいていない。また、指摘されると「そんなはずはない」と思い込み、素直に受け入れられない人が多いように思う。柔軟さに欠けるという点である。
一方、今年度から大学を卒業したばかりの若い人は(いい意味で)知識がない分、意見を素直に取り入れる傾向にあるだろうから、有利に働くのでは無いかと考えている。(SNSなどを見ると、多分簡単だったんだろうなということが伺えられる。)
「ここはそんなに減点では無いはずだ」、「ここは減点だろう」と思い込みをせず、素直に文章を読み込める人であれば、合格はすぐ近くにあると思っている。建築の実務上の知識や経験は、この試験ではあまり意味をなさず、また、必ず有利に働くわけではないという自己認識が必要である。
7.お知らせ
2〜3月頃に本サイトで令和3年度向けにオリジナル課題を提供する予定です。
令和2年度の標準解答例の内容に対応した最新版の課題を作成しますので、是非解いてみてください。