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法規|歩行距離の表現方法について

皆さまこんにちは。

 

今回は受験生から質問の多い(居室内から直通階段までの)歩行距離の表現方法について書いていきたいと思います。書き方を間違れば、試験上は当然減点要素と考えるべきですので、以下の要領で図面に記入してください。

 


1.歩行距離のスタート地点について

居室の(部屋の隅)が大体の場合スタート地点になると思います。部屋の仕上げ面の角ではなく、壁から少し離れた、人が立てる範囲のポイントでOKです。

*壁から50cm離れた所がスタート地点としている行政庁もあります。ので、試験用紙の半コマ程度は離れても良いと考えます。

 


2.居室に家具、机等の配置がある場合

寝室などにベットや机の記入が必要な場合があります。

(例)ユニットA~Cの個室のうち、代表的な室内プラン( 1 室)(必要な什器を含む。)

この部屋に歩行経路の記入が必要な場合は「ベットや机を避けて」歩行距離を記入してください。避けずに記入(ベットや机の上を通過)した場合は、減点になると考えるべきです。

 


3. 居室に家具、机等の配置がない場合

1.のスタート地点からドアまで最短距離でまっすぐ記入してください。

(最短距離ではなく)最大歩行距離となる測り方とする。という考え方がありますが、一方で(居室内什器備品等のレイアウトが予見できない場合は、余裕のある計画が「望ましい」)という考え方もあり、過去の標準解答例では最短距離の表現になっていますので、最短距離でまっすぐ記入しても減点要素は無いと考えます。

 


(その他)

歩行距離のスタート地点を間違える方がごく稀にいますが、もし間違っていれば当然減点となります。間違える人の大半は、「作図」の段階でその場所(スタート地点を)考えています。間違えないコツとしては、「エスキスの段階で検討/エスキス用紙に記入する」のが良いと思います。作図前のエスキス段階で「アタリ」をつけておく。ということです。

 


(まとめ)

上記の内容は、「本来は言わずもがな」なのですが、法規的な項目の減点は(比較的大きな減点となる可能性が高い)、結果(この1つのミスで)合否を分ける可能性がある。と考えています。

 

ベストなプランを計画するのを目指すのではなく、ベターなプランで法規的に減点をもらわず、書き漏れのない様にすれば合格はすぐ近くにある。と思っています。

 


次回は敷地内通路について書いてみようと思います。