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大手資格学校で長く講師を務めた複数の講師が集まり、一級建築士合格へのサポートをします。 設計事務所/審査機関/建設会社等、様々なシーンで活躍する講師達が知恵を結集し、 大手資格学校とは異なる視点で、本試験の要素を深く読み解き、「合格する」ための情報提供を行っています。

一級建築士合格発表の雑感①

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年の9月頃からTwitterでつぶやいておりましたが、今年からブログでも情報発信していこうと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

 

先日、一級建築士の合格発表がありました。

合格した方、おめでとうございます。残念ながら不合格だった方は今年リベンジして欲しい所ですが、今回は、発表された標準解答例やランク別の%(パーセンテージ)を見た雑感を少し書いて行きたいと思います。

 

1.ランクⅡの割合は5.6%と前年と同様に低数値であった。

前年度のランクⅡは(10月13日実施/3.0%、12月8日実施/5.3%)であったが、今年度も前年同様に5.6%と低数値である。

おそらく、ランクⅠとⅡ(①)、ランクⅢ(②)、ランクⅣ(③)と①〜③の3段階にカテゴライズされたあとに、合格率とのバランスを見ながらランクⅠ→ランクⅡに振り分けしていることが想定される。いきなりランクⅡに振り分けられるというのは考えづらいと思う。

 

2.ランクⅢ、Ⅳへの振り分け方法について

合格発表の公表資料に該当する以下の2つに該当する答案は即ランクⅢまたはⅣになり、そこで終了と考えるべきである。

(以下の①②の2点)

①・設計条件に関する基礎的な不適合:「各ユニットのゾーニング等が不適切」、「要求している室の欠落」、「要求している主要な室等の床面積の不適合」等


②・法令への重大な不適合:「延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設置」、「道路高さ制限」や「直通階段に至る重複区間の長さ」等

(※建築技術普及センター 公表資料より引用し一部加工)

 

この2点に該当した答案は、①そもそも提示した設計条件を基本的に理解していない、②建築基準法に適合していない建築物(不適合建築物)を計画する人に一級建築士の免許は与えられない。と理解していいと考える。

 

3.ランクⅠ、Ⅱの振り分け方法の仮説

上記2.に該当しない答案が、細かくチェックされ、ランクⅠ、Ⅱに振り分けされていくと考えられるが、ここからは図面に描かなければいけない物(..を設ける)や、所要室の有無や要求面積の割合等、細かい採点されていくと考えられる。

 

1〜3はそれこそ当たり前な内容なのだが、逆にこれをクリアすれば合格すると考えれば案外難しいことではなく、シンプルな採点の仕方なのではないか。と個人的には思っている。ただ例年の合格率は40%前後(今年はやや低めの34.4%)であり、受験者の方は皆かなりの時間を割いて勉強しているため、容易ではないことは確かである。

 

4.採点方法に文句を言っても仕方がない

SNSやブログなどで合格基準等についての内容に不満があったり、こんな採点方法で良いのか?などの意見を見るが、個人的な感想としては採点自体は平等に行っており、また、採点の仕方、基準などは時代によって変わっていくため、採点基準等には全く問題ないと思っている。

それよりも、発表された合格基準や標準解答例を見て、次年度の受験に活かす方がいいだろう。(ただ、各人で分析するのは正直大変な作業で、どこかポイントかも分かりずらい(分かっていれば合格するであろう)ので、この部分については後々このサイトでも書いていければと思っています。

 

次回へ続く