一級.com

大手資格学校で長く講師を務めた複数の講師が集まり、一級建築士合格へのサポートをします。 設計事務所/審査機関/建設会社等、様々なシーンで活躍する講師達が知恵を結集し、 大手資格学校とは異なる視点で、本試験の要素を深く読み解き、「合格する」ための情報提供を行っています。

法規|令和2年本試験 屋根のない吹き抜けに面する部分の防火設備[防火区画(竪穴区画)]について考えてみた。

皆さまこんにちは。

今回はタイトルの件について考えてみたいと思います。

 

本試験の答案例を見て、ふと思った点がありまして、、それは中庭部分(ロの字型)の開口部に防火設備(○防)の表現があったことです。

延焼ラインに掛かってない、中庭であり、外部空間である。ではなぜ防火設備(○防)が必要なのか?考えてみました。

 

1.

まずは、この部分(ロの字型、*コ字型の吹抜け形状となった時も含みます)に防火設備が「もし」必要だとすれば、当該部分は「防火区画(竪穴区画)である」と試験元は考えているということ?

2.

次に、じゃあ「屋根のない吹抜け部分に面する部分」に防火設備を設けるということは実務上において一般的な取り扱いかどうか?

3.

この取り扱いはどこで公開されているの?

4.

今後の試験においては減点対象になるのか?

 

 

 

この4点について考えて思った結論は、

防火設備の明示が無くとも減点対象ではないが、試験上の特性を鑑みて明示しておいた方が安全(無難)である。

というのが当サイトの見解です。

 


(*解説)

■この取り扱いは「限定的」な取り扱いである。

(ロの字型、*コ字型の吹抜け形状に防火設備が必要)は、主要都市の一部地域(またはローカル都市の一部)において例規を持っているが、「全国一律ではない」。

■実務上においても一般的(全国統一)な取り扱いではない(限定的なので当然である。)

■一部資料(一般販売書籍等)に同様の取り扱いが掲載されているがこちらも限定的。

 

詳細は省きますが、これらの要素を考慮すれば「減点対象とはならないのではないか?ただし減点項目としておいて受験者の出来/不出来によって多少の減点対象として調整することも可能。」という設定は考えられます。

 

(実際は中庭ロの字型の向かい合う対面の最短距離(2m以上)と高さの比(D/H)短辺の5倍以上で…○×△などあるのですが、試験上ここまでの知識は不必要なので割愛)

 

なのでざっくりと書きますが、安全側の設計として(減点ではないが念のため)防火設備にしておいた方が無難。

 

もし私が受験生に聞かれた場合はこのように答えます。